【印刷用レイアウト】

共通メニュー

全体カリキュラム

シミュレーション・ゼミ

注目のゼミを入学前に擬似体験

家族法 身近な問題から法律と日常生活の密接な関係を学ぶ!

今回のテーマは「連帯債務と相続」についてです。
例えばBがAからお金を借りたとします。B(債務者)が借りたお金を返すことができなかった場合に、A(債権者)と連帯保証契約をしたC(連帯保証人)がB(債務者)の代わりにお金を返すことになります。
では、このC(連帯保証人)が死亡した場合、C(連帯保証人)の相続人(たとえば妻や子)に連帯保証契約の効果を負わせることになるのでしょうか。これは相続人を保護するか、取引の安定性を維持するか、という問題です。本事案につき最高裁判所は、「共同相続人がその相続分に応じてこれを承継するものと解すべきである」と判示しています。相続人は、債務(借金)を背負ったとしても、「相続放棄」という手段によって債務(借金)を免れることができるため、裁判所はバランスのとれた解決をしています。

切ってもよいのは「枝」か「根」か?

このような事例を頭に置き、実際に「ゼミⅠ」の授業の流れをみてみましょう。
・授業が始まる前に
「ゼミⅠ」では、1のように学生自身が選択したテーマをもとに、家族法(結婚や親子関係、相続など)の判例研究を行います。実際に出された判例(裁判の先例)を素材に、事実や問題点を整理し、それを法制度にあてはめた上で学生自身のそれぞれの考えを導き出します。その準備として、レジュメを作成します。レジュメとは、発表の要旨をまとめたものです。報告には念入りな準備が必要です。レジュメを作成しただけでは質問を受けたときに答えることができません。したがって、報告時間にあわせた手持ちの報告用の原稿も作成します。A4用紙で10枚を超える原稿を準備する学生もいます。レジュメや原稿を作成するためには、メディアセンター(図書館)で該当の判例とテーマに関する資料を用意する必要があります。レジュメは報告日までに作成し、ゼミ生に配布します。配布された他のゼミ生は、良質な質問をするために、しっかり予習をしなければなりません。
・授業が始まったら
授業は90分です。教員とゼミ生それぞれの顔がみえるよう、机をコの字型にして学生が着席します。判例研究の報告者は、判例に登場する人物の関係図を板書します。授業がはじまると、30分程度ゼミ生は就職活動の状況などについて報告をします。その後、準備をしてきたレジュメに基づき、30~40分程度で発表を行います。発表終了後は、質問を受け、テーマに関する議論を30分程度で行います。
その様子を紹介しますと、例えば性格のおとなしい学生が報告をする時には、大きな声を出そうと努力し、また別のゼミ生はメディアセンターで用意した資料をたくさん積み上げ、それらの資料を活用して質問に答えたりと、学生の新たな一面も発見できます。このように日々努力する姿を目の当たりにでき大変うれしいですね。判例研究と報告を重ねることで、コミュニケーション能力や法的なものの見方(リーガルマインド)を養うことができますし、就職活動にも大変役に立ちます。
・授業が終わったら
ゼミの時間以外にもサブゼミを行っています。昨年11月から、本年4月よりゼミに入室する学生と一緒に勉強会を始めました。家族法は2年次の選択科目なので、履修していない学生もスムーズに「ゼミⅠ」の授業を受けることができるように工夫しています。3年次生には、エントリーシートの添削や就職の相談にのり、4年次生には卒業論文の添削をする等、サブゼミを充実させることにも力を入れています。

少年非行論 非行も人間の行動の1つ。「人間」への理解を深める!

ありのままの自分と向き合うチャンス
私のゼミでは「少年の健全育成」という観点から少年非行の問題を研究していますが、人間はもともと良いところだけでなく、心の闇やドロドロした部分をみんな持っています。そう考えると、非行も人間の行動の一つであり、人間に興味がある人なら、このゼミでの学習や研究はとても興味深く取り組めるはずです。そして、このゼミで非行問題に取り組むことで、自分自身と向き合い、ありのままの自分を受け入れられるようになる人も数多くいます。

大森 晶夫教授

イジメられる側の複雑な心理
このゼミのハイライトは4年次前期に班単位で作成する「共同論文」です。みんなの力を結集して社会的に意義のある論文を作るために、非行に関するさまざまな調査を実施しますが、時としてとても興味深い結果に出会うことがあります。昨年、校内暴力をテーマにアンケートを実施した際には、校内暴力の被害者のうち、男子はイジメや暴力を肯定する人やイジメの原因は自分にあると考える人が多いという傾向が見られました。これは、まさに、イジメの被害者が加害者になる心理がデータに表れていると言えるでしょう。

イジメられる側の複雑な心理

非行少年より学生の方が孤独!?
今年の共同論文は『青年の孤独感の研究』をテーマに進めており、「孤独で人との共感性や信頼関係がないことが非行につながっている」という一般的な仮説を検証するために、「孤独感と共感性」に関して少年鑑別所の少年たちを対象に法務省が行った調査と同じ内容のアンケートを学生にも行い、そのデータを比較しました。するとナント、仮説とは反対に学生たちの方が孤独感が強く、非行少年の方が共感性があるという結果になったのです。これは、少年たちと学生たちが現在置かれている状況に起因した結果だと考えられますが、大切なのは、このようなデータを分析し、この謎解きを皆んなで楽しくやるということなのです。